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菖蒲の隠者 サイト開設15周年記念謝恩セール 08/01-09/30
 隠者の blog から、ちょっとだけ切り取ってみました。。。。
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■ 鍋島伝統の技『墨弾き』 ■
『菖蒲の隠者』のサイトを訪れる方の殆どの方は『有田焼』『伊万里焼』の事はご存知だと思いますが、その違いは?となると、ちょっと曖昧になってしまうのではないでしょうか?

有田の町で作られたから『有田焼』、そのやきものが伊万里の港から出荷されたので『伊万里焼』と呼ばれるようになった、というのが通説ですが、もともとは鍋島藩統治のもと陶磁器生産が行われた窯場ですので、大本は『有田焼』も『伊万里焼』も同じととらえて良いと思います。実際には時代背景などによっても複雑ではありますが。。。
関連記事 - 有田焼 Wikipedia

今日『有田』の町が陶磁器の里として発展したのは、『有田』の町『泉山』の地に『磁石鉱』が発見されたことにあります。 今日『有田』の町が陶磁器の里として発展したのは、『有田』の町『泉山』の地に『磁石鉱』が発見されたことにあります。
『泉山』の地で『陶石』が採れたため、その周辺に窯が作られるのは当然の結果で、そうして鍋島藩統治のもと国内で初めて陶磁器生産が始まった有田草創期には中国や朝鮮などの製品を模倣した作品(古伊万里)が数多く作られました。

デザイン・意匠の流失を恐れた鍋島藩は、伊万里『大川内山』の地に窯を移し、この地を鍋島様式専門の生産拠点とします。 その後、日本オリジナルのデザイン・意匠を目指し作られたのが『鍋島』の製品になります。
『鍋島様式』の製品は、当初は有田の町で生産が開始されたようですが、その後デザイン・意匠・陶工の流失を恐れた鍋島藩は、伊万里『大川内山』の地に窯を移し、この地を鍋島様式専門の生産拠点とします。
その結果、有田の地では『古伊万里』や『柿右衛門』様式の製品を中心に生産が進められ、伊万里大川内山の地では『鍋島』様式の製品を専門に生産されるようになり、今でも『大川内山』の地には『鍋島』の窯元が数多く残っている訳です。※ 当時から陶磁器の生産は分業化され、本窯焼成までが大川内山の窯で行われ、上絵付けは有田の町の『赤絵町』で行われていたようです、鍋島様式を代表する『今右衛門』の窯が大川内山ではなく有田の『赤絵町』にあるというのも、こういった時代背景から伺えます
『有田焼』と『伊万里焼』の違いをこのような視点でとらえてみるのも良いのではないでしょうか。
関連記事 - 鍋島焼 Wikipedia

『鍋島』の製品の特徴は、友禅の絵柄のように繊細で精巧なデザイン・技術で制作されているのが特徴です。
『色鍋島』の作品には『赤・青(緑)・黄』の3色しか使ってはいけないという、厳密な決まり事までありました。
こちらの作品は、染付けに色絵を施した作品で『色鍋島』と呼ばれる作品ですが ※ 有田草創期の中国の赤絵作品などを模して作られた作品『古伊万里』や『金襴手』などの製品の中には『金』や『五彩』などの錦を使った作品も数多く見られますが、『色鍋島』の作品には『赤・青(緑)・黄』の3色しか使ってはいけないという、厳密な決まり事までありました。
この作品のように、奇麗に整えられた構図、細く繊細な線書き、ムラなく塗られた濃(ダミ)、どれをとっても熟練の技が無ければ作る事が出来ない作品であり、その卓越した絵付けの技術ゆえに、作られた作品はまるで現代の印刷技術で作られたかのようにさえ見えるほどです。。

鍋島伝統の意匠『墨弾き』 そして、そんな『鍋島』伝統の絵付け技術のひとつに『墨弾き』と呼ばれる技術があります。

今回は『大川内山』に窯を構える『鍋島』の窯元『巒山窯』さんにお願いして、『墨弾き』の絵付け制作風景をレポートしてご紹介します。



鍋島焼窯元 巒山窯 墨弾きの制作風景


伊万里『大川内山』に鍋島藩用窯が築かれた理由は、この地を訪れ周りの景色を眺めると分かるように、黒髪山山系の奥まった地、背景には大きく切り立った『屏風岩』に遮られた地にあり、外部からの侵入も、また、内部からの侵出も難しい土地を選び、また入り口には関所を設け、鍋島の技術・デザイン・意匠・職人などの流失を厳しく監視しました。
(当時、今回の記事のように鍋島の技術などを外部に紹介していたら、それこそ隠者は『打ち首獄門』の刑に処されていたかも知れませんね・笑)

それほどまでの厳しい管理下のもと生産された『鍋島』様式の製品は、幕府や大名などへの献上品として、贅を惜しまず最高の物を目指して作られた、我が国が世界に誇れる日本の伝統工芸品といえます。
※ 有名な怪談話『番長皿屋敷』のお話の中で、割れた家宝のお皿が『鍋島』のお皿だったという説も聞かれます。

今でも『大川内山』には、多くの鍋島の窯元が残っていて、その中には印刷を使ったり、判子を使ったりして価格帯を抑えた作品作りをされている窯元もあったり、また、手描きの作品を比べても、窯元それぞれに筆のタッチに微妙な違いも感じ取れます。
『巒山窯』さんは、ご夫婦2人だけで鍋島伝統の技を生かした手描きの作品を作り続けていらっしゃいます。
今回撮影をお願いした『巒山窯』さんは、ご夫婦2人だけで鍋島伝統の技を生かした手描きの作品を作り続けていらっしゃいますが、その筆のタッチは優しく柔らかで、また、デザインも現代のライフスタイルに溶け込むようなシンプルでモダンな作品を作られています。

- 巒山窯さん作品の紹介ページ


追記 : 鍋島の製品の精巧さを象徴する面白いお話があります。鍋島の製品は制作年代の特定がとても難しいのだそうです。というのも、厳密に定められたサイズ・形状の器に、厳密に決められた同じ絵柄・デザインで制作することが長きに渡って受け継がれてきたため、また、製品には制作年代の表記もされていなかったため、時代を超えて全く同じデザインで作られた製品が数多く存在し、制作年代を特定することが非常に難しいということでした。
『現在の『巒山窯』さんで作られた作品です。そう言われれば、ここで紹介している『色鍋島』の製品がいつ頃作られたものか分かりますか? 「これは江戸時代に作られたものですよ」と言われれば、そう見えますよね? でも実際にはこの作品は現在の『巒山窯』さんで作られた作品なのです。 何百年も変わらぬ意匠を守り受け継いで行く技術、これから先の未来へもずっと変わらず受け継いでいってもらいたい素晴らしい伝統工芸ではないでしょうか。



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