
一緒に有田の町で共同して
アンテナショップをやらせてもらっている
『銀河釉』の作家
『中尾哲彰』さん。
もちろん自宅工房へも頻繁に足を運びお邪魔していますが、その自宅工房の2階『応接兼展示室』には、所狭しと並べられたたくさんの作品と共に、その作品に埋もれるかのようにして
『ステレオシステム』が鎮座しています。。。

最初は工房を訪ねても、たくさんの大作などの作品の方にばかり目を奪われ、ステレオの存在には気が付かなかったのですが、数年前にふと作品以外に目を移すと、展示室に転がっているウン十万、ウン百万という『銀河釉』の作品に埋もれて、『銀河釉』の作品に負けないほどの存在感を発している大きな
← スピーカーシステムがあるのに気が付きました。
そして、その圧倒的な存在感のスピーカーシステムの間には数多くのジャズのレコード盤と、見た事もないような
真空管の『ステレオアンプ』があり、中尾さんに尋ねたところ
『Marantz マランツ』の
『#7』と
『#9』というプリアンプとパワーアンプで、知る人ぞ知る
old Marantz の名器だと言うことでした。
(訳あってこの時点でアンプの画像撮影が出来ず紹介出来ませんが、後日改めてご紹介させて頂こうと思います)
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そうと分かれば、このステレオシステムから流れる音を聴いてみたいと思うのは当然のことで、『是非聴かせてください♪』とお願いしたのですが、数年前まではかろうじて音が出ていたものの、その後アンプが故障してしまったようで今では聴くことが出来なくなっているのだということでした。。。
もちろん修理に出せば修理が出来ないこともないようですが、隠者とほぼ同じ歳(1960年頃)の製品では、誰もかれもが簡単に修理出来るような代物ではないらしく、しかもこのアンプ自体がかなりチューニングされた物なので、きちんと修理出来る人も限られるし、修理費用がどれほど必要かということも見当がつかないということで、今は修理も見合わせているのだということでした。
それでも諦めきれない隠者は、この展示室を訪れる度にどうしてもこのステレオから流れて来る音を聴いてみたいと思い、中尾さんの『銀河釉』の作品はそっちのけで(笑)、スピーカー、アンプを前から後ろから眺めては『このステレオでいつかまた音が聴けるようになるといいですねぇ〜』とか『一度でいいから音 聴いてみたいなぁ〜』などと呟いては、中尾さんの顔色をチラチラと伺ってみたり、、(笑)
そして時には、隠者が浪人時代に通った東京吉祥寺にあった
『ファンキー』というジャズ喫茶の思い出話を持ち出しては、『ここであの時のジャズ喫茶のようにコーヒーを飲みながらジャズを聴いてみたいなぁ〜』などとつぶやいておりました。。(笑)
そんな隠者のしつこいつぶやきに、中尾さんも苦笑いを浮かべながらも『そのうち余裕ができたら修理しよう』と仰っていましたが。。。
※ このでかいスピーカーを眺める度に、不思議にいつも上述のジャズ喫茶『ファンキー』の事が思い出されました。。
当時は九州の田舎者が初めて都会に出たばかりで、ジャズなんて聴いたこともなければ特に興味がある訳でもなく・・ましてやそのジャズ喫茶でどんなステレオ、スピーカーを使っているのかなんてことにも全く興味も無く、ただただ、この何とも言えない雰囲気のあるジャズ喫茶の居心地の良さに、高校を出たての田舎者が都会でちょっぴり大人になった気分に浸ったものでした。。
このようにしてこの中尾さんの展示室を訪れる度に、いつかこのステレオで音を聴ける日が来ることに夢を馳せていたのですが、この夏久しぶりに展示室にお邪魔するとアンプの姿が見当たりません。。。ついに修理に出されたとのことで、その修理が上手くいけば念願の音を聴くことが出来るようになるということでした♪(上でアンプの画像を紹介出来なかったのはこのためでした)
真空管アンプというのはとてもデリケートな製品のようで、また、ただ修理するだけでなくトランスなど独特なチューニング?が必要なようで、また、修理の時期もあまり暑い時期には作業が出来ないのだそうです。
10月の連休に銀河釉ファンのお客様に工房を開放して開催された
『やきもの体験』のイベントには修理も間に合いませんでしたが、また、年内に修理が完了して戻るかどうかも分かりませんが、とにかくその音が聴ける日が来るというだけで今からワクワクしている隠者です♪
そんな事で、ついに念願の音を聴ける日が来ると決まったので記事にしようと撮影したスピーカーの名前
『The Voice of the Theater』をたよりに、いったいどんなスピーカーなのだろうとネット検索して調べてみると、
Altec Lansing社 が製作した劇場用(映画館?)の音響スピーカー
『The Voice of the Theater』の
A7というモデルのようで、色んなサイトでこのスピーカーについての記事を見つけることが出来るほどの名器だということが分かりました。
そしてその記事の中のひとつに上述のジャズ喫茶
『ファンキー』の2階に置かれていたスピーカーが、まさしくこの
『The Voice of the Theater』のA7というスピーカーだったのだという記事を見つけ、当時2階の席に座り隠者が耳を傾けていたスピーカーが、まさしくこのスピーカーだったのだと知った時には、ちょっと鳥肌が立つようでした。。
以前ジャズ喫茶『ファンキー』についての思い出を記事にした際に、ネット検索で『ファンキー』が伝説のジャズ喫茶だったということと、そこの地下に設置されていたスピーカーが
JBLのパラゴンという伝説の名器だったという情報は知っていたのですが、まさか隠者が当時実際に聴いていたスピーカーが、中尾さんの展示室にあるこちらの
『The Voice of the Theater』のA7というスピーカだったとは思ってもみなかったのでした。
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- ジャズ喫茶 Funky (ファンキー) 2009 03/06 記事
このスピーカーの姿を見る度に、不思議に『ファンキー』での思い出を思い出したり、また、その音をどうしても聴きたいといつも思わされたのは、自分の記憶の奥のどこかで、このスピーカーと『ファンキー』とのつながりを感じとっていたからなのかも知れませんね♪
不思議なご縁があって親密になり、仕事を抜きにしてのお付き合いもさせて頂くようになった中尾哲彰さん。
隠者の青春の記憶の1ページに強烈に残るジャズ喫茶『ファンキー』の思い出が、まさか、こんな身近な場所で掘り起こされるなんて思ってもいない事で、つくづく不思議なご縁を感じる隠者でした。。
早速この事を報告に中尾さんを訪ねると、嬉しそうに、また、自慢げにこの
Altecのスピーカーや、
Marantzのアンプのことなどをさらに詳しく教えてくれました。
この
Altecのスピーカーは、
A7をベースにウーハー(低音部)のスピーカーをカスタムチューニングしたり、
JBLのツイーター(高音部)を追加カスタマイズ(スピーカーの上に乗っている丸く小さいスピーカーがそれです)したりして、中尾さんなりのチューニングを施し仕上げてあるのだそうで、アンプのチューニングも含めて、ますますどんな音が聴けるのか今からワクワクが止まりません♪
この記事を見た中尾さんと同年代の方達の中には、きっとこのステレオの音を聴いてみたいと思う方も沢山いらっしゃるのではないでしょうか♪
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